自治体が個人賠償責任保険に加入し認知症の高齢者による事故を無料でカバー!

お金の知識

自治体が個人賠償責任保険に加入し認知症の高齢者による事故を無料でカバー!

高齢になった両親が認知症になり、事故や事件を引き起こした場合、息子や娘さんが損害賠償請求の対象になることも。

しかし保険の見直しで個人賠償責任保険でも認知症に対応したものにすると、万が一の際の損害賠償請求を保険金でカバーすることができます。

一部の自治体ではすでにそういった制度を取り入れており、無料で加入することもできますので、一度問い合わせてみると良いかもしれません。

個人賠償責任保険の内容の改定で認知症でもカバーされる

平成27年10月頃に行われた保険会社の内容改定で、それ以降に加入した個人賠償責任保険の範囲が広がりました。

改定のポイント

賠償責任補償の被保険者が責任無能力者だった場合、賠償事故については法定の監督義務者等も被保険者になれると定義されました。

しかも保険特約で責任無能力者を監督する方も被保険者も保険を利用することができるようになったものもあり、これにより高齢者の事故による損害を補償することができます。

ただ詳しい内容は各保険会社で異なりますので、あなたが加入している個人賠償責任保険の内容を確認してください。

なぜそういった保険内容の改定が行われたか?

個人賠償責任保険の内容改定が行われたのは、2007年12月に起こったJR東海・大府駅での認知高齢者による事故の最高裁判決が出たから。

判決内容

2007年12月、要介護度4の認知症患者の91歳の男性が線路内に立ち入って電車にはねられて亡くなり、JR東海が男性の妻(要介護1)と別居の長男に対して事故による振替輸送費等の損害賠償約720万円を求める裁判を起こしました。

二審では同居して主に介護をしていた妻に監督責任があったと認め、約360万円の賠償が命じられ、最高裁判決で「監督義務者不在」と判断され、賠償請求を棄却。

しかし最高裁判決では、監督責任を問える客観的状況があれば、離れて暮らす息子・娘でも認知症の親が起こした事故の責任を問われる可能性があるということが明確になりました。

その結果、各保険会社がそのリスクを回避できるように約款を改定し、個人賠償責任保険の範囲を広げたというのが、きっかけになった出来事です。

両親と離れて暮らしていても、不意に損害賠償請求の対象になることがあるのなら、安心して暮らすことができませんよね?

そういった社会的ニーズを自治体側でも確認し、新たな取り組みを始めているところもあります。

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自治体による認知症高齢者の賠償補償の一例を紹介!

ご両親の加入している個人賠償責任保険で、認知症になった際に起こしてしまった事故をカバーできればよいのですが、入り直すのも大変ですよね?

特に高齢者になると新しいことをするのも面倒くさがりますし、離れているのでなかなかそこまでサポートできないということもあるでしょう。

しかし自治体が用意しているサービスなら、ご両親も安心でしょうし、追加費用や保険の入り直しも不要なので、気軽に加入してもらえるかもしれません。

兵庫県神戸市の個人賠償責任保険に対する取り組みは?

兵庫県神戸市では2019年4月より、「認知症の人にやさしいまちづくり条例」を制定し、下記条件で認知症の高齢者による事故の損害賠償請求をサポートしています。

兵庫県神戸市の取り組み

  • 自己負担:なし
  • 補償額:最大2億円
  • 対象者:認知症と診断された人
  • 特徴:24時間365日対応の専用コールセンターを設置。

東京都葛飾区の個人賠償責任保険に対する取り組みは?

東京都葛飾区では2019年4月より、「おでかけあんしん保険(認知症保険)」を利用して、下記条件で認知症の高齢者による事故の損害賠償請求をサポートしています。

東京都葛飾区の取り組み

  • 自己負担:なし
  • 補償額:最大2億円
  • 傷害補償:最大50万円
  • 後遺障害:2~50万円
  • 被害者死亡時の見舞費用:15万円
  • 対象者:認知症と診断された人
  • 特徴:損害賠償請求だけではなく補償範囲が広い

神奈川県海老名市の個人賠償責任保険に対する取り組みは?

神奈川県海老名市では2018年7月より、「高齢者(認知症)あんしん補償事業」を実施し、下記条件で認知症の高齢者による事故の損害賠償請求をサポートしています。

神奈川県海老名市の取り組み

  • 自己負担:なし
  • 補償額:最大3億円
  • 本人の死傷・後遺症:最大82万5000円
  • 対象者:「はいかいSOSネットワークシステム」登録の65歳以上
  • 特徴:社会福祉協議会が契約者となり、「個人賠償責任保険特約付き傷害保険」に加入

このように自治体の費用負担で個人賠償責任保険に加入できる場合があり、2019年11月現在で全国39市区町村で無料で加入できるそうです。

自治体で認知症が原因の事故もカバーしてくれるの記事まとめ

この記事では認知症になってしまった高齢者による事故をカバーしてくれる個人賠償責任保険について紹介してきました。

一部の自治体では費用負担なしで、この保険に加入することができ、万が一の際の事故による損害賠償請求にも対応してもらえます。

ご両親がお住まいの自治体や、高齢世帯ならあなた自身が住んでいる自治体でこのような保険が用意されていないのか確認してみてください。

もじ自治体が加入していないのなら、個人賠償責任保険の約款がどうなっているのか?保険会社に問い合わせておくべきでしょう。

保険でカバーできるのであれば、万が一の際も安心ですので、一度保険内容のチェックを行うことをおすすめします。

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