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アンペア変更で電気料金は本当に安くなるのか?
電気料金を安くする方法の1つに家庭用のアンペアを変更することで、毎月の基本料金を安くするという考え方もあります。
契約しているアンペア数が高いほど基本料金は高くなるので、アンペア数を下げることができれば、基本料金分が安くなるということ。
実際にどのくらい違うのかを東京電力の従量電灯Bで比較すると・・
アンペア数 | 基本料金(税込) |
10A | 280.80円 |
15A | 421.20円 |
20A | 561.60円 |
30A | 842.40円 |
40A | 1,123.20円 |
50A | 1,404.00円 |
60A | 1,684.80円 |
確かに60Aを30Aまで下げることができれば、毎月の基本料金は半額の842.4円まで下がるので先日紹介した、口座振替割引よりもかなり安くすることができます。
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口座振替割引で電気料金を支払うとクレジットカードよりもお得?
電気料金の支払い方法にクレジットカードを選択している人も多いと思いますが、口座振替割引を利用して電気料金を支払った方がお得になる人が多いのを知っていますか?実際のどのくらい変わるのかシュミレーションも含めて紹介します。
ただ重要なことはアンペア変更=電気料金が確実に安くなる方法ではないということ。
電気料金はどのように計算されているのかを理解しよう!
電気料金の計算式を口頭で説明するのは少しややこしいので、下記図を参考にしてください。
出典:東京電力(電気の計算方法)
ちなみにその月の電気使用量がゼロの場合は、基本料金は半額になります。
実際の計算方法や計算式、シュミレーションが簡単にできるように各電力会社では、公式サイトに電気料金計算サービスを用意していますので、気になる人はそこで概算金額を確認してみましょう。
アンペア変更で基本料金が安くなるのに、なぜ確実に電気料金が安くなるわけではないという話をしたかと言えば、【電気使用量】次第でその月の利用金額が変動するから。
例えば東京電力の従量電灯Bの料金表は
従量電灯B
- 最初の120kWhまで(第1段階料金):1kWh=19円52銭
- 120kWhをこえ300kWhまで(第2段階料金):1kWh= 26円00銭
- 上記超過(第3段階料金):1kWh=30円02銭
エアコンやクーラーなどのしようにより、その月の電気使用量が増えてしまえば、アンペア変更しても電気料金が高くなるということは起こり得ること。
ただ一般的には同じような利用条件であれば、使用量による差が出ないのでアンペア変更は電気料金を安くする有効な方法だと言えるでしょう。
アンペア変更のメリット・デメリットは?
アンペア変更をすれば基本料金が下がり、その分だけ毎月の利用料金は安くなるのが普通ですが、メリット・デメリットを知らずしてアンペア変更を行うべきではありません。
どのようなメリットやデメリットがあるのかを簡単に紹介しますので、その点を理解した上で本当にアンペア変更をすべきか考えてください。
アンペア変更のメリットとは?
これは間違いなく毎月の基本料金が安くなり、それに応じて電気料金を節約できる可能性があるということ。
賃貸物件だと前の人がやたら大きなアンペアに変更しているなんてこともありますし、家のサイズに合わないアンペアになっているのなら、悩まずに適正サイズに変更すべきでしょう。
アンペア変更のデメリットとは?
アンペア変更のデメリットは使用状況により、ブレーカーが頻繁に落ちるようになる可能性があるということ。
選択したアンペア以上の消費電力になると、ブレーカーが作動して電気が送電されなくなり、停電状態になります。
子供が多い家庭やエアコンやクーラーを常時使用する家庭、電気調理器具を沢山使う家庭だと、選択するアンペア数によってブレーカーが落ちやすくなるでしょう。
主な電気機器の使用アンペア数のメリットは?
ブレーカーが落ちないようにアンペア数を決定すべきですが、何を基準に考えればよいのかがわからないと思いますので、一般的な電気機器のアンペア数の目安を紹介します。
家庭用の100Vの場合のアンペア数は消費電力が100Wで1A、1000Wで10Aという風に考えると良いでしょう。
電気機器 | アンペア数 |
インバータエアコン 10畳用平均、立ち上がり時 |
冷房5.8A<14A> 暖房6.6A<20A> |
冷蔵庫(450L) | 2.5A |
電子レンジ(30L) | 15A |
IHジャー (5.5合・炊飯時)炊飯器 |
13A |
IHクッキングヒーター (200V) |
20A~30A (最大使用時58A) |
食器洗い乾燥機 | 13A |
テレビ | 液晶42型:2.1A プラズマ42型:4.9A |
掃除機 | 弱:2A、強:10A |
アイロン | 14A |
ドライヤー | 12A |
自宅のアンペア変更をする方法は?
ここまでの記事を読んでアンペア変更をしたいと思ったら方法はとても簡単です。
契約している電力会社のカスタマーセンターに連絡するだけ。
ネットでも申し込みできますし、FAXでも可能なので日中になかなか電話できない人でも大丈夫でしょう。
アンペアブレーカーは10A〜60Aの間であれば、無料で交換してもらえますので、特に費用負担をする必要はありません。
しかしアンペア交換は室内に立ち入る必要があるので、工事の立ち会いは必須ですし、その間10〜15分は停電しますので、その点も理解しておきましょう。
またスマートメーターで契約アンペアを設定している場合は、アンペアブレーカーの取り付けは不要です。
契約状況によっては電気工事が必要だったり、工事費用の負担が発生することもありますので、一般的な契約ではない時は事前に状況を確認してからアンペア変更の依頼を行ってください。
アンペア変更時の注意点は?
東京電力では60Aまでの変更であれば、通常は工事費用無料で対応してくれますが、それ以上のアンペア数で契約したい場合は費用が別途発生します。
また選択するアンペア数は年間で最も多い月を基準に選ぶ必要があり、季節ごとにアンペア数を変更するような方法でアンペア交換を依頼することはできません。
それとアパートやマンションなどの集合住宅では、所有者や管理人の承諾が必要な場合もありますので、その点も確認した上でアンペア変更の依頼を行ってください。
アンペア変更で電気料金は安くなるのかの記事まとめ
この記事ではアンペア変更によって電気料金が安くなるのかということを説明してきました。
アンペア変更をすることで基本料金が下がるので電気料金を安くしたい人には、おすすめの方法ですがメリット・デメリットも踏まえて判断する必要があるでしょう。
アンペア変更する際には
- 毎月の利用料金から最も多い月を基準にする
- アンペアを低くしすぎるとブレーカーが頻繁に落ちる
- アンペア変更の工事は無料だが季節ごとの交換は不可
- 賃貸物件の場合はオーナーや管理人の承諾が必要な場合も
- 電気利用量が増えればアンペア変更しても高くなることも
ということも理解した上で、契約している電力会社に依頼するようにしましょう。
ちなみに我が家の場合は3LDKでも30Aで契約していても問題がないので、家のサイズだけではなく、どのような頻度で電気をどれだけ使うのかということを基準に選んでくださいね。
アンペア変更はうまくできれば、基本料金を節約することができるので、とても効率的なコスト削減になりますよ。